視的生活 -37

A Happy New Year!

個人情報保護法、イラク特措法、有事関連法、イラク戦争等々、時代は、戦後から戦前へと急展開したようです。
イラク関連や北朝鮮関連のニュースが声高に叫ばれる中、住基ネットや有事関連法は、忘却され方向にあるようです。
憲法はいったいどうされるのだろう…。

個人的には、4月に松江で開かれた森山大道の“光の狩人”、その帰り道の植田正治写真美術館、京都国立美術館で断続的に展示される東松照明ー戦後写真の軌跡、アサヒカメラ9月号“斬新熟視”中平卓馬、そして11月には中平卓馬の“原点復帰ー横浜”など、「PROVOKE」や「VIVO」の写真をまとめて見ることができた、有意義な一年であったと思います。
振り返れば、まさに私のために用意されたような一年間、最後に中平卓馬の60年代の写真から最新作までを一気に見ることによって、深い霧の中から快晴の空の下に投げ出されたかのように思えました。
思考と行動と感覚が、一気に20数年前から蘇ったような気が、今しています。
不似合いな思想や文学への、不確かな侵入を停止し、カメラを持って路上に出ることこそが、私に出来る最大のこと、唯一の手段、そして何よりも悦びであることを再確認しました。

_2004.1.6