視的生活
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江坂

三国

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豊中市千成

ニコン製廉価版デジタル一眼レフのD70の「予想」でカメラ雑誌が賑わっていると思ったら、キャンンからEOS1DMark2が発表されました。
PMAショーということもあって、新製品ラッシュです。コンパクトタイプも、各社から800万画素機が出揃うようです。そしていよいよ、ライカも本格的にデジタルに参入するようです。
さて、キャノンEOS1DMark2は、現行の1Dと同じサイズのCCDながら800万画素と、10Dやコンパクトタイプを上回る画素数は、仕事上でもカタログ・スペック上でも必須かも知れません。
もろにアテネ五輪に照準を合わせたカメラですが、フルサイズCCDの1Dsも市場から姿を消してるらしいところを見ると、更に大きな変革があるのかも知れません。
とはいえ、PhotoshopCSが出たばかりで、RAWデータ現像ソフトがいつ対応するかも問題です。
確かに、400万画素の1Dでは少々苦しい場面も多いので、今のところ、Photoshop RAW plug-inで600万画素で書き出したりすることもあります。1100万画素でも書き出せますが、さすがにディテールがね…。
1Dや10Dが35mm、1DsやコダックDCS pro14をブローニーと捉えてきましたが、800万画素機は645というところでしょうか。
コンパクトタイプが半年から1年、プロ用一眼レフタイプが1年から2年以内で、どんどん新製品化されます。ということは逆に、どんどん陳腐化すると言うことです。開発も販売も過酷であるには違いないでしょうが、買って使う方は更に大変です。馴染んだ頃には買い換え時期が過ぎています。「高級カメラ」もいよいよ「消耗品」の時代になったということで、喜んでばかりはいられなくなったようです。
パソコンのCPUカードのように、筐体はそのままで、CCDやメモリだけでもアップグレードできるようにならないものでしょうか?
銀塩では、EOS1でもPentax SPでも「愛着」が湧いてくるまで使い続けられました。初期型のEOS1と最新型のEOS1Vとの間に、出来上がった写真に差はありません。「重箱の隅」ともいえるレンズの違いはあるにしても、戦前のライカでも最新のニコンでも同等の写真が得られます。
「デジタル機器」としてカメラとフィルムカメラ、或いは、デジタル写真と銀塩写真との差は、写真の出来や方法論・技術論にあるのではなく、「道具」としての違い、或いは、使い方にあるように思えます。そしてそれは、メディア論を持ち出すまでもなく、歴史の作り方、作られ方に大きな影響を齎すことになるのだと思います。
余談ですが、Macにもクルマにも名前を付けているのですが、デジタルカメラになってからは、それぞれの呼び名はありません。

_2004.2.19