視的生活
-050-
東三国

東三国

東三国

東三国

同じ工事現場とは言っても、建設現場よりは解体現場の方により惹かれる。
消失への憧憬。
破壊への衝動。
死の匂い。

自宅裏の立体駐車場の破壊が始まった。
解体とかいうような生易しいものではなく、まさしく破壊だ。
二月ほど前まで、数十台の車両を支え続けた金属群が、飴細工のように捩じ曲げられ切り裂かれる。

新しいマンションが建つのだろう。
破壊と建設。
破壊と創造。
破壊の上にしか創造はないのだ、とすれば、真に破壊されるべきものとはいったい何だろうか…。

_2004.3.19