視的生活
-079-
金沢

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金沢21世紀美術館で開催(10.26終了)されていた『ゲルハルト・リヒター:鏡の絵画(Painting as Mirror)展』を見た。
この展覧会については、多くのマスコミにも取り上げられ、公式図録も一般書店に出回っているので、そういうものを目にした方も多いと思う。
とは言っても、現物を見ないと皆目見当がつかないのが現代美術のツネ。
3年ほど前、富山県立美術館で見たフランク・ステラの作品には度肝を抜かれた。
というわけで、今回も雑誌や画集で見ていた印象とは全く異なるインパクトを受けた。
そこには、「見る」ことへの根源的な問いかけがあるのだが、「見える」ことへの疑義ではなく、「見る」ことの快楽がある。思弁やテクニックや仕掛けを超えた「眼の悦楽」があった。
こういう快感は久しぶりで、金沢という町とこの美術館の素晴らしさと相まって、無理を圧してきただけ、否、それ以上の満足を得ることができた。

_2005.10.23

そんなこんなで11月。
今年も残り2ヶ月を切った。
徹夜で名神・東名を飛ばし、朝っぱらの横浜美術館で、中平卓馬の「原点回帰−横浜」を見てから、丸々2年。
この2年間、自分なりの「原点」を思い出すべく、シャッターを切り続けているが、「デジタルだから、とりあえず撮っておく」などという言い訳を持ち出すまでもなく、原点も見えず、展望も開けず。
毎日1点ぐらいは、いい写真が撮れた、と感じることは時々あるのだが、その、たった1点の写真が、世界を切り開くとはとても思えないし、その大群から、世界が見えてくるとも思えない。
大それたことを考えているわけではないにしても、自分自身が、自分の撮った写真が、もどかしくて仕方がない。
何でこんなに撮れないのだろう…。

_2005.11.3